NPO法人(設立認証申請中)南アジア文化遺産センターのブログです。センターのウェブサイトはこちら
This is the official weblog of NPO*-JCSACH (Japanese Centre for South Asian Cultural Heritage).
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*certification procedure is in progress

2014年8月30日土曜日

私たちが目指すもの

 事務局長の野口です。
 私たちは、なぜNPO法人として南アジア文化遺産センターを設立しようとしたのか、その趣旨は、設立趣旨書に書かれているとおりです。またその要旨を、以下の通りウェブサイトにも掲載しました。

 特定非営利活動法人(設立認証申請中)南アジア文化遺産センターの創設メンバーは、これまでも南アジアの考古学や文化遺産について学び、南アジア諸国に留学し、あるいは現地での調査研究に従事してきました。その中で、学術的な課題のみならず、さまざまな問題をも直面してきました。とくに最近では、目覚しい経済発展の影で、文化や歴史に関する調査研究は必ずしも十分な予算や人員を確保することができず、開発の進行とともに危機に瀕する文化遺産が増えています。
 もちろん現地には、そうした状況を憂い、何とかしようと熱意を持って取り組んでいる研究者や実務家がいます。しかし、教育訓練の機会や、最新の機器・技術などの導入について国際的な支援・協力を必要としています。しかしながら、そうした支援・協力は個人の力ではなし得ないものです。創設メンバーが集まって、NPO法人というかたちでのセンターの設立を企図した動機のひとつがここにあります。
 日本においても、かつて高度経済成長期に多くの文化遺産を失いかねない危機的な状況に直面しま、その中で開発行為の前に調査を行ない、必要な記録を残す、あるいは開発の計画を変更して重要な文化遺産を残すという制度を整え、技術や経験を蓄積しています。そうした蓄積は、いままさに経済成長を遂げつつある南アジア諸国において活かすことができるのではないかと考えます。学術的な興味関心だけでなく、経済発展とともに文化や歴史についての理解を深めることで、ともに手を携え合ってより良い社会を築くことを目指します。

 つまり、学術的な興味にもとづく研究だけであれば、研究者個人として、研究資金による調査を行なえば良いことです。その成果の社会的還元も、あくまで学術研究をベースに進められれば良いことかと思います。
 しかし私たちは、それだけでなく、現地で何が求められているのか、それに対して私たちができることは何であるのかを、十分な対話と相互理解により明らかにした上で、学術だけでなく社会全般と協働したいと考えています。これが、NPO法人としての設立を企図した背景です。
 それでは、具体的に何を対象としてどのような活動を行なうのかについては、次回以降に紹介させていただきます。

(写真:インド、マハラシュートラ州デカン大学院大学の学生食堂にて、学生たちと近藤代表)

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